Blogブログ

2022.01.18

九分半(くぶはん)

こんにちは、銀座ヨシノヤ銀座六丁目本店宮崎です。

今日は、九分半(くぶはん)の話。

銀座ヨシノヤの九分半は、昔のハンドソーンの履き心地を現代の感覚で蘇らせたものです。

昔は、カーフ(子牛)以外にもカンガルーやキッド(山羊革)などの柔らかい革を使ったハンドソーンウェルテッド製法の靴がたくさんありました。現在よりも軽く、柔らかく、繊細な履き心地の靴が多かったのです。繊細な履き心地をイタリアンベビーカーフを使って復活させたのが九分半です。企画段階では、こんな薄い革でハンドソーンの靴を作って耐久性は大丈夫なのかと心配されていましたが、昔はもっと繊細な革でも靴を作っていただのだから大丈夫だろうと思っていました。出来上がった靴は驚くほど軽く、信じられないほど優しく足を包んでくれます。発売から9年経ちますが、耐久性は問題ありません。製造は「華奢モノ」といわれる繊細な靴作りを得意とする職人が手掛けるので、華奢でエレガントな靴の特性と職人の得意分野が合致するカタチとなりました。

繊細な履き心地の靴が淘汰された今、九分半の履き心地は特別な存在となっています。